武蔵野大学との産学連携でビニールクロスの使用量削減によるCO2排出削減量を数値化
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15年前より原状回復時のクロスの部分張替えを実施
当社は賃貸物件の原状回復時のクロスの全面張替えに疑問を持ち、15年前から工事会社の協力を仰ぎながらクロスの部分張替えを実施してきました。
全面張替えと比較して、張替えが必要な箇所、洗浄や部分補修で済む箇所を確認して張替え作業を行うことは手間がかかることではありますが、工事費を抑えることができるため、オーナー様にもメリットがあると考えたからです。
武蔵野大学との産学連携でクロスのCO2排出量を可視化
そのような中、クロスの使用量を控えることがCO2排出量削減につながり、近年課題となっている地球環境問題への対策に貢献できるのではないかと考えました。もし、ビニールクロスの使用を削減することでCO2削減に大きな効果があるのであれば、当社だけでなく不動産業界全体で取り組んでいきたいという思いもあり、武蔵野大学との産学連携で、ビニールクロスのCO2排出量を可視化する取り組みに着手。
検証は実際に原状回復工事を行う物件を対象に実施しました。ビニールクロスの使用量だけでなく、廃棄の際に発生する輸送などに対するCO2排出量も加味して算出しました。
磯部先生をはじめとする武蔵野大学の研究室の皆さんが作成したツールを使用し算出した結果、原状回復時のビニールクロスの使用を1㎡抑えることで、0・412kg-CO2の排出量削減に貢献できるということが確認できました。
51・40㎡の住戸のクロス張替え量25%削減で18・5kg-CO2削減
当社ではクロスの汚れの状況を見て張替え、洗浄、塗装、対応無しの4パターンで、次の空室募集に問題が無いことを前提に決めていきます。今回の物件は間取図のピンクの部分の張替えは不要と判断。約45㎡分のクロスを張替えなしで対応し、18・5kg-CO2の削減につながりました。この値は7・9リットル分のガソリン使用削減と同効果になります。乗用車であれば約80km走行分を削減したのと同じ削減効果です。
ほとんどの賃貸物件は壁紙にビニールクロスが使用されています。特にファミリー物件など、部屋数の多い物件ではその使用量が多く、かつ、部屋ごとに張替えの有無を判断できることから、大きな削減効果を出せると考えます。
この部分張替えの取り組みが不動産管理業界に広まることで、多くのCO2削減につながると考えられます。今後はこれを業界に広く周知し、この取り組みを広めていく計画です。
株式会社 市萬
宅地建物取引士 公認 不動産コンサルティングマスター 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
中澤 一世