建物長期活用のポイントは「耐震性」 現行の耐震基準に適合した建物に改修しよう

あなたの建物は大丈夫?耐震診断で建物の強度チェック

当社は建物長期活用の取り組みの一つとして、賃貸不動産のオーナー様に建物の耐震診断をご提案しています。なぜなら、建物を長期活用するうえで、耐震性能は土台となる部分だからです。1981年に建築基準法が改正され、1981年5月31日以前(旧耐震基準)に建築確認を取得した建物の中には、現行の耐震基準(新耐震基準)に満たないケースも多くあります。まずは耐震診断を行い、建物の耐震性を確認したのち、適切な箇所に適切な補強を行う必要があります。先日、当社管理の1963年築の建物で一級建築士事務所 に依頼 人増に対し、20年度は同3万171人減。一方、東京都市部では、19年度は同1万3543人増に対し、20年度は同5516人増で、23区の人口減少が大きいことが分かります。し耐震診断をしたところ、倒壊する危険性があることが分かり、耐震工事を行いました。

構造耐震指標(評点=保有する耐力/必要耐力)

ご相談の事例の耐震診断結果

斜めに入れた筋交い(右)と柱・梁・筋交いを耐震金物で固定し(左)補強することで耐震性をアップ

必要な箇所に必要な補強 国や自治体に助成制度あり

耐震診断の結果、補強が必要となれば、どこにどのような補強を行うのか、設計図を作成します。その設計図に従って、補強工事を行います。工事の内容について、FMSの阿部さんに話を伺いました。「補強工事は、筋交いや耐震金物、構造用合板などで壁の耐震性を向上させる工事が基本です。場合によっては柱を追加したり、基礎を新設または補強する場合もあります」と阿部さん。工事が始まり、実際に解体を行ってみると想定と異なり、追加工事が必要な場合も。そのため、「見積もりよりも予算に余裕を持っておいて欲しい」と阿部さんは言います。気になる費用ですが、簡単な算出方法として「2万7000円×( 1.0-評点)×㎡(延床面積)」といわれることもあります。つまり、評点が悪ければそれだけ費用が掛かるのです。勿論、個別性が高いので見積もりは必要です。また、一時的に入居者に部屋を空けてもらわなくてはならない場合もあり、その際の費用なども見ておく必要があります。費用については国や自治体が耐震診断や工事に対して助成制度や融資制度を設けていますので、事前に確認すると良いでしょう。皆さんの建物は大丈夫ですか?入居者の安全を守るのもオーナー様の役目です。建物が倒壊してけが人が出ないよう、旧耐震の建物をお持ちの場合、先ずは、耐震診断をすることをお勧めします。

お話を伺った方

株式会社 FMS 一級建築士

阿部 和徳さん

戻る