30年以内に70%の確率で起こる大規模地震 新耐震基準だけでは守れない?

新耐震基準の建物も大規模地震で倒壊の恐れあり

今、耐震に対する自治体の意識は高くなっています。そのため、耐震診断や耐震工事に助成金が用意されている自治体も多いようです。東京都でも、ほとんどの市町村に耐震診断や改修に関する助成制度が設けられています。また、「耐震化総合相談窓口」を設け、耐震に関する相談や必要に応じて建築士などの専門家をアドバイザーとして派遣するなどの支援も行っています。

元日に起きた能登半島地震。被害が集中したエリアの木造住宅約100棟を調査したところ、
40棟ほどが居住不可能な「全壊(倒壊10棟含む)」で、うち半数は新耐震基準だったといいます。「熊本地震でも、木造住宅では新耐震基準の8・3%の建物が全壊しています。大規模半壊・半壊・一部破損を含めると、約66%の建物が何らかの被害を受けていることがわかっています。〝新耐震基準〞というだけでは、必ずしも安全とは言えません」と、
一級建築士の丸橋さん。

耐震基準の安全性はどのくらい? 旧耐震基準VS新耐震基準

日本の建築基準法における耐震基準は1981年に改正され(新耐震基準)、その後1995年の阪神淡路大震災を受けて2000年に更に基準が厳しくなりました(新・新耐震基準)。これが今の耐震基準になっています。
耐震基準は、人命を守るため、震度7の地震に1回は耐えることができる基準であり、建物を
守るほどの耐震性はないとされています。ですから、この基準だけでは建物の倒壊を防ぐことは
できないと丸橋さんは言います。「ソフトを使ったシミュレーションや耐震実験では、震度7
程度の大規模地震に耐えられないという結果が出ています。」

耐震基準

耐震等級

先ずは耐震診断を実施して耐震等級3を目指そう

木造住宅は耐震基準を満たしているだけでは大規模地震に耐えられないかもしれません。だとしたら、どうすればよいのでしょうか。それには、耐震基準に加え「耐震等級」が重要です。耐震基準が建物内の人命を守る基準であるのに対して、耐震等級は人命だけでなく建物自体を守ることも目的として定められている基準です。 「熊本地震では耐震等級3の建物被害はほぼありませんでした。先ずは耐震診断で建物の状態を確認した上で、木造住宅であれば耐震等級3程度まで耐震性能を上げることをお勧めします。今は補助金制度もあり、戸建・マンションとも無料で簡易診断が受けられます。国土交通省監修の簡易チェックシートを使い、ご自身で確認することも可能です。〝誰でもできるわが家の耐震診断〞で検索してください。」

お話を伺った方

株式会社市萬パートナー建築士 株式会社エネルギーまちづくり社
一級建築士・省エネ建築診断士

丸橋 浩さん

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