著書コメント
大学で建築学を学びながら、「これからは建物を新たに作るのではなく、あるものを活かす時代なのでは」と思い続けていた学生時代。国土交通省も「フローからストック重視」へと住宅政策の転換を図る中、建物の長期活用は国の重要な施策であるとともに、賃貸オーナー様個人にとっても、有益な賃貸経営ができるかどうかを左右する問題です。特に築古賃貸不動産をお持ちのオーナー様は、頭を悩ませている問題かもしれません。
一級建築士の資格を持ちながら、賃貸管理会社で働く私ができること。それは、建物のプロとして、有意義に建物が活用できるよう、オーナー様に向けて私が持っている経験とノウハウをお伝えすることではないかと思い、この本を作成するに至りました。
修繕計画の立て方や費用の目安など、役に立つノウハウと情報を盛り込んだつもりです。本書が築古賃貸不動産をお持ちのオーナー様の問題解決の一つのヒントになればと思っています。
目次
第1章
建物はスクラップアンドビルドから長く活用する時代に
- 建替えても利益が出ない時代に
- 建物を長く活用すると建替えに比べ利益が1.6倍に
- 建物の寿命は意外に長い
- 築古でも選ばれる時代に
第2章
建物を長く活用するためにやるべきこと
●長期活用のポイント
- 建物状態に応じた計画的な修繕の実施
- 入居者ニーズを踏まえた改良
第3章
工事会社の選び方と予算の目安
- 工事会社の選び方
- 修繕工事の見積書の見方
- 修繕にかかるお金のこと