内見数UP、早期申し込みを実現する!営業力UPのための空室対策



内見数UP、早期申し込みを実現する!営業力UPのための空室対策




「空室対策でリフォームをしたけれど、内見が少ない」
「早期申し込みにつなげるために、告知やプロモーションに力を入れたい」
こうした賃貸不動産の空室対策に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

本記事では、空室対策の中でも「募集」に焦点を当て、内見数を増やし、早期申し込みにつなげるための具体的な対策をまとめています。この記事のポイントを押さえることで、効果的な空室対策が進められるようになります。



≪空室対策における「営業力」とは≫


空室対策における「営業力」とは、物件を多くの人に知ってもらい、魅力を伝えて、最終的に申し込みにつなげる力のことです。

物件に設備投資し内装・設備をリニューアルしても、肝心の空室情報が検討者に効果的に伝わらなければ、内見や申し込みにはつながりません。情報が的確に検討者に届き、彼らのニーズに応える形で伝わることが大切です。

特に、入居者の購買行動や価値観は時代とともに変化しています。営業力を磨くためには、最新の入居者ニーズを反映させた対策が必要です。





≪営業力UPを実現する空室対策の基本≫


ここでは営業力が十分に発揮できているかどうかを判断するポイントを2つ紹介します。
まずは、これらのポイントに沿って現状の募集状況を確認し、不足している部分は強化・最適化を図る対策を講じましょう。



1.幅広く、最適な募集チャネルを選択できているか


最適な入居者を効率よく見つけるためには、幅広いチャネルを活用して空室情報を発信することが重要です。また、単に空室情報を発信するだけでなく、ターゲットとなる入居者層に適した媒体を選び、効果的にアプローチする必要があります。

アットホームの「オンラインでの住まい探しに関する調査 2023 賃貸編」によると、賃貸のお部屋探しをする人の70%以上が不動産ポータルサイトを利用しているという結果が出ています。

合わせて、リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社による「2024年賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」では、不動産仲介会社への反響の多い媒体としてSUUMO、アットホーム、ホームズの3つの不動産ポータルサイトが上位に挙げられています。以上のことからも、これらのポータルサイトは、募集対策を行う上で必須のプラットフォームと言えるでしょう。




インターネットを活用して広く募集情報を届けることはもちろん、最低限、これら主要なポータルサイトへの掲載は欠かせません。これにより、多くの検討者に募集情報を届け、効果的な空室対策を講じることができます。



2.情報が正確、且つ過不足なく伝えられているか


物件を効果的にアピールし、内見や問い合わせにつなげるためには、その魅力を正確に、かつ十分に伝えることが大切です。

基本情報である住所、広さ、間取り、設備、賃貸条件など、入居希望者が判断するために必要な情報がしっかりと掲載されているかを確認しましょう。ただし、テキストだけではその魅力を十分に伝えるのは難しいため、写真や動画、アイコンなどの視覚的な要素を積極的に使うことが重要です。

こうした視覚情報を活用することで、物件の雰囲気がよりリアルに伝わり、入居希望者がイメージしやすくなります。

ちなみに、ハウスコム株式会社の『2023年度“部屋選び”に関する調査』によれば、不動産ポータルサイトやアプリの利用者が感じる主な不満点として、「物件の広さがイメージしづらい」(29.3%)、「物件の中身がイメージしづらい」(27.7%)、「物件の周辺環境がわからない」(27.0%)が上位に挙げられています。

この結果からも、入居後の生活をイメージするための情報提供には、まだまだ対策の余地があることが分かります。




視覚情報を活用した募集対策


こうした消費者の不満を解消し、物件をより魅力的にアピールするためにも、視覚情報の活用は重要です。



<視覚情報の活用例>
①モデルルーム写真や間取り図の活用

家具を配置したモデルルームの写真を掲載することで、入居者が実際の住まいをイメージしやすくなります。また、家具の配置を含めた間取り図があれば、部屋の広さやレイアウトをより具体的に伝えることができます。

②内見動画やパノラマ画像の活用

静止画だけでなく、動画や360度パノラマ画像を活用することで、お部屋の全体像をよりリアルに伝えることができます。

③周辺環境マップの作成

周辺の地図を作成し、交通アクセスや近くの生活施設(スーパー、学校、公園など)の情報をわかりやすく伝えることで、入居後の生活スタイルを具体的にイメージしやすくなります。



3.ターゲット層に合わせた情報発信


発信・プロモーションの内容がターゲットとなる入居者層にマッチしているかも重要なポイントです。単身者、DINKS層(共働き子なし世帯)、ファミリー層など、それぞれのニーズに応じた情報を提供する必要があります。
単身者・DINKS層向け

24時間営業のスーパーや、夜遅くまで営業している飲食店、総菜屋、ドラッグストアなど、仕事や遊びで忙しいライフスタイルを支える周辺施設のアピールが効果的です。
ファミリー層向け

スーパーやドラッグストアの豊富さに加えて、学校、保育園、塾、公園、病院といった子育てに役立つ施設のアピールが効果的です。安全な環境や治安の良さも、ファミリー層にとって大きな魅力となります。

ターゲット層に合った情報を提供することで、物件の魅力がより効果的に伝わり、内見やお問い合わせの増加が期待できます。


≪不動産仲介会社を見方につける+αの「営業力」の磨き方≫


オンライン内見や電子契約の普及が進む中でも、賃貸のお部屋探しにおいては、依然として不動産会社のサポートが欠かせません。空室対策として営業力を強化するためには、不動産会社が物件をスムーズに紹介できる環境を整えることが重要です。

リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社の「2024年賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」では、『仲介会社が管理会社に求めるポイント』がまとめられており、不動産会社との良好な関係構築に役立つたくさんのヒントを読み取ることができます。

以下では、その具体的な方法をいくつか紹介します。





●営業に活用できる素材・ツールを積極的に提供


不動産仲介会社の営業担当者は、毎日多くの物件を案内・紹介しています。そのため、1つの物件の調査・提案準備に、十分な時間をかける余裕がありません。そこで、物件を優先的かつ効果的に紹介してもらうためには、営業ツールや資料をオーナー・管理会社側から提供するという対策が有効になります。

たとえば、物件の写真や動画、周辺マップなど、用意にひと手間掛かるような資料をあらかじめ提供しておけば、物件の魅力もスムーズに伝わり、仲介担当者がすぐに物件を紹介できる環境を整えることになります。
結果として、紹介頻度の向上が期待でき、効率的な空室対策となります






●入居者に不利な情報の事前開示


仲介会社が嫌うのは、契約直前で入居者に不利な情報が判明し、それまでの手間や苦労がムダになることです。設備の利用制限や初期費用、特殊な契約条件など、入居者にデメリットと感じる情報・条件がある場合には、はじめにしっかりと伝えておくという対策が大切です。

これにより、無駄なトラブルを防ぎ、不動産会社との信頼関係を強化できます。物件情報や取引の透明性を保つことは、営業担当者にとっても、お客様への紹介のしやすさに繋がります。




●レインズやatbbなどの物件情報共有システムには必ず登録


多くの不動産仲介会社は、募集情報を得るためにレインズやatbbといった情報共有システムを利用しています。これらのシステムに空室情報を登録することで、より多くの不動産会社に募集情報が共有され、紹介のチャンスが広がります。




ただし、これらのシステムの利用には不動産会社の協力が必要です。管理や仲介を依頼している会社が、正しく情報を登録しているか、しっかりと確認することが重要な対策です。





●業務支援システムへの連携を図る


不動産仲介会社の多くは、物件管理や顧客対応を業務支援システムを通じて行っています。空室情報をこれらのシステムに連携させることで、空室情報が目に留まりやすくなり、営業ツールや資料の共有もスムーズに行えるようになります。


仲介・管理を依頼している不動産会社に、事前に連携可能かどうかを確認し、積極的に活用してもらえるよう協力を依頼することが重要です。こうした連携が、物件の露出を高めると共に、営業担当者の仕事のサポートとなり、より多くの紹介につなげる空室対策になります。





●内見や空室確認・申し込みのWEB対応化


テクノロジーの進化に伴い、空室確認や内見申し込み、審査手続きのデジタル化(DX化)が急速に進んでいます。特に、入居希望者からの問い合わせは夜間に発生することも多く、これらに迅速に対応できる24時間リアルタイムのWEB対応が、今や必須となりつつあります。




WEB対応化の導入により、不動産仲介会社は時間や場所に関係なく物件の確認や内見の予約ができるようになり、利便性が大幅に向上します。また、問い合わせ対応の自動化やオンラインでの内見手続きの効率化によって、よりスムーズに内見から契約までの流れを作り出すことが可能になります。
WEB対応は競争力のある空室対策として積極的に取り入れるべき施策です。






株式会社市萬
中小企業診断士 宅地建物取引士 2級ファイナンシャルプランニング技能士


山村 諭史





相続で困らないために! しておくべき賃貸経営の事業継承準備



相続で困らないために! しておくべき賃貸経営の事業継承準備









相続対策として、相続「税」対策をしている方は多いと思います。ところが、相続で発生する賃貸経営の事業継承となると、きちんと考えている方は意外と少ないようです。急に親が亡くなり、何の準備も ないまま賃貸経営を引き継がざるを得なくなった配偶者やお子様は、突然のことに困り果ててしまうの
ではないでしょうか。そうならないためにも、賃貸経営の事業継承について、きちんと準備をしておく必要があります。


引き継がれた相続人が困るのは賃貸経営の3大資源と言われる、「お金」「人」「モノ」がどうなっているのかわからないことです。この、「カネ・ヒト・モノ」を整理し、事前に伝えておくことが、ス ムーズな賃貸経営の事業継承、ひいてはその後の賃貸経営の成功につながります。


もしもの時に備えて元気なうちに準備を始めてみてはいかがでしょうか。



事業継承に向けて整理しておきたい情報






継承準備のステップ


もしもの時に備えて元気なうちに準備を始めてみてはいかがでしょうか。


Step1. 「カネ」「ヒト」「モノ」の情報の整理、書面化


これはご自身で行うことができます。情報を整理し、リストや保管場所をわかりやすいように
書面にまとめておきましょう。



Step2. 引き継ぎ相手への説明


まとめた書面を元に、引き継ぐ相手に内容を説明しましょう。



Step3. 経営への参加を促す


ご自身が元気なうちに、引き継ぐ相手に少しずつ経営を手伝ってもらうことも大切です。実際の参加が難しい場合は、日々の会話の中で経営状況について話をしたり、意見を求めるところから始めてもよいでしょう。





賃貸アパート・マンション 空室対策の基本と進め方


賃貸アパート・マンション 空室対策の基本と進め方




「空室が一向に埋まらない」
「空室対策をどのように進めればよいか分からない」

不動産オーナーの中には、賃貸不動産の空室について、上記のようなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、賃貸不動産の空室対策について基本的な考え方から対策の進め方などのポイントをまとめています。

空室対策成功のポイントは、まずは空室の原因をしっかりと分析し、原因に応じて適切な対策を講じることです。この記事に書かれているポイントを抑えることで、効果的な空室対策を進めることができます。

他にも複雑な条件変更(借換えや条件変更、資産の組替え、物件購入、一部売却等)設定ができるよう汎用性を高めたり、誰もが簡単に作成できるようにするなどの改善を行っています。今後は全国の不動産会社や金融機関等への提供も検討しており、多くの不動産オーナーのお役に立てればと思っています。


 

≪空室対策は受け身では上手くいかない≫


「昔は苦労せずに埋まっていたのに、最近は空室が目立つようになってきた。なぜだろう?」

このように感じる不動産オーナーも増えているのではないでしょうか。

時代の変化と共に、不動産オーナーの置かれている状況も刻々と変化しています。その最たるものが「空室」です。これからの時代の空室対策は受け身の対策ではなく積極的な動きが求められます。



●空室問題は不動産オーナーにとって避けられない課題


人口や世帯数の減少に加え、新築住宅の継続的な供給が続く中、空室問題は今後も不動産オーナーにとって避けられない課題となります。

株式会社野村総合研究所が2024年6月に発表した報告によると、2043年には全国の空き家率が2023年の13.8%から約1.8倍となり、約25%に達すると予測されています。これは、全国的に空き家の増加が続くことを示しており、特に人口減少が著しい地方でその影響は顕著になることが予想されます。

これまでの右肩上がりの経済成長期には、待っているだけで自然と部屋が埋まる状況が続いていました。しかし、空室率が上昇する環境下では、不動産オーナーには従来以上に積極的な空室対策が求められます。




●時代と共に入居者ニーズが変化し技術も進化する


グローバル化やインターネットの普及といった情報網の進化により、技術革新や市場ニーズの変化がこれまでにない速さで進んでいます。

この変化は人々の生活スタイルに大きな影響を与えており、賃貸不動産経営にもその影響が及んでいます。

例えば、アットホームが発表した「2024年上半期 問合せが増えた条件・設備~賃貸編~」によると、賃貸物件の入居者からの問い合わせで増加した設備として、1位は「インターネット接続料無料」、2位は「宅配ボックス」が挙げられています。

この背景には、在宅ワークの普及や動画ストリーミングサービスの利用拡大による大容量通信需要の増加があり、それに伴い高速インターネット設備が必須インフラとなっていることが考えられます。また、共働き世帯の増加やネット通販の普及により、不在時でも荷物を受け取れる宅配ボックスの需要が高まっていることが要因と考えられます。

このように、時代と共に変化する入居者のニーズや技術進化に的確に対応することは、空室対策においてとても重要です。





 




≪空室対策の基本的な考え方と進め方≫


空室対策を成功させるためには、誰もが思いつかないような斬新で革新的なアイデアや、巨額の設備投資は必ずしも必要ではありません。

空室対策のセオリーを抑えつつ、原因をしっかりと分析し、適切な対策を打つことで効果的な空室対策は十分おこなうことができます。



●空室対策の基本的な考え方・セオリー


空室対策の実行は、「商品力」と「営業力」という2つの要素を軸に考えることをおススメします。
この2つの力が適切に発揮されてはじめて、空室は解消されます。逆に、空室が長く続いているということは、この2つの要素のどちらか、または両方が不足している可能性が高いと考えられます。




●空室対策における「商品力」とは


商品力とは、物件を探している人に「ぜひ入居したい!」と思える「物件自体の魅力づくり」のことです。

入居者の嗜好やライフスタイルは時代とともに変化し、建物設備も日々進化しています。そのため、入居者のニーズを正確に把握し、ニーズに応じた物件作りを行うことが、商品力を向上させるために不可欠です。

多くの場合、魅力づくりというとお部屋の中(専有部)の内装や設備だけが注目されがちです。しかし、商品力UPのためには、専有部だけでなく、物件の顔となる共用部でも清潔感や明るさを保ち、第一印象を良くすることが大切です。




●空室対策における「営業力」とは


営業力とは「物件の魅力をより多くの人に魅力的に伝え、入居申込に繋げる力」です。どれだけ商品力を高め、魅力的な物件を作り上げても、その魅力が適切に伝わらなければ、空室の解消には繋がりません。

特に現代の部屋探しはインターネットを中心におこなわれていますので、インターネットを通じた募集活動で営業力を高めることは基本中の基本です。

一方で、アナログな方法も依然として有効です。例えば、不動産会社の営業マンによる対面での物件紹介も、重要な営業力として力を発揮します。特に力のある不動産会社や営業マンと積極的に交流を図り、ご自身の空室を優先して紹介してくれるような関係づくりも重要です。

空室対策における営業力UPでは、適切なチャネルを選択肢し、いかに幅広い募集活動ができるかどうかが成功の鍵です。


 


≪空室対策の基本的な進め方3ステップ≫


空室対策にはさまざまなアイデアがありますが、やみくもにそれらを取り入れるのは費用対効果や労力の観点で得策ではありません。不動産賃貸経営は事業の一環であり、効果的な対策を取捨選択したうえで実行することが大切です。

先ずは空室となっている原因を適切に分析すること。そして、原因に応じた効果的な対策を洗い出し、最後に優先順位を定めて実行に移す。このように「原因分析」「対策の洗い出し」「実行の優先順位付け」という3つのステップに分けて空室対策を進めることで、より効果的な対策を打つことができます。




●まずは空室の原因を探る


空室対策の第1ステップは「空室の原因」を探ることです。この原因分析のステップでは、前述した「商品力」と「営業力」という2つの視点から原因を探ることをおすすめします。

以下は「商品力」と「営業力」のチェック項目です。まずはご自身の物件がこの2つの要素を適切に発揮できているか、確認しましょう。特にチェックリストに多くの抜けや不備が見受けられる要素は、空室の原因となっている可能性が高いです。

営業力



  • 不動産業者間の情報ネットワークに空室情報が登録されているか?

  • 一般消費者向けの不動産情報ポータルサイトに情報が登録されているか?

  • 図面や物件詳細に過不足なく、十分に情報が掲載されているか?

  • 不動産会社向けの報酬が適切に設定されているか?


商品力



  • 適切な賃貸条件が設定されているか?

  • 共用部の管理状況(清潔感、明るさ等)は良好か?

  • 専有部の内装・設備は良好か?


●原因に合わせて、空室対策を洗い出す


空室の原因となる要素が分析できたら、次は対策を洗い出しましょう。

おそらく、空室対策アイデアの中には「費用が掛かりすぎる」「時間が取れない」といった理由で、これまで採用しなかったものも含まれるでしょう。

但し、この洗い出しのステップでは、過去の経験や前例にとらわれず、とにかく考え得る全てのアイデアを自由に洗い出すことがポイントです。

たとえ今は実現の可能性が低いとしても、広く深い視野で物事を捉えることで、取捨選択や優先順位付けの精度が高まったり、後々に思いもよらない新たなアイデアに繋がる可能性があるからです。既成概念に囚われず、自由に思いつくままアイデアを出してみましょう。



●優先度を決めて実行に移す


空室対策のアイデアを洗い出したら、次は優先順位をつけて実行に移しましょう。

尚、優先順位をつける際には、それぞれのアイデアについて「効果」「費用」「時間」等の複数の評価軸を設けると、効果的・客観的に判断ができます。

実行の優先順位が最も高いのは、もちろん「低コストで、時間・労力が掛からず、高い効果が見込める空室アイデア」です。

なかには「高い効果が見込めるものの、コストや時間的な懸念があるアイデア」もあるはずです。このようなアイデアは、手間が掛かるゆえに他のオーナーが実行していない可能性が高く、もしも実現できれば大きな差別化に繋がる可能性もあります。

そのため、そのようなアイデアは中長期的な取り組みとして、実行の検討をしてみることをおススメします。





≪空室対策を「いつ」「誰と」行うのか≫


空室対策と聞くと、その「アイデア」に目がいきがちですが、それと同じくらい重要なのは「いつ始めるのか?」「誰と組むのか?」という観点です。



●空室対策を始めるタイミング


空室対策を始めるタイミングは、①入居中 ②解約通知後 ③退去後 の大きく3つに分かれます。
おそらく多くの不動産オーナーは③退去後に空室対策を始めることでしょう。

しかし、空室が増え競争が激しくなる昨今の賃貸市場では、「退去後」ではタイミングが遅く、せっかくの時間をムダにしてしまっている可能性があります。そのため、空室対策を始めるタイミングは、最低限「②解約通知後」から始めることをおすすめします。

実際、退去前の段階でも実施できる空室対策はたくさんあります。
例えば、営業力の強化を図るために「解約通知があった辞典で、提携の不動産会社に情報共有する」というのも有効な対策です。

退去情報を事前に情報共有しておけば、潜在的な顧客に事前に情報を案内し、早々の申込を得られる可能性があります。また、退去前に募集準備を進めておくことで、退去後すぐに募集を開始することができます。

このように退去後にかかわらず、退去前でもできる空室対策はたくさんあるのです。




●だれと組んで進めるか


空室対策を効果的に進めるには、信頼できるパートナー(不動産会社)と組むことも重要です。

インターネットの発達により、オーナーが自力で得られる情報やできることも増えてきています。しかし、まだまだ不動産会社しか得られない情報や利用できないネットワークもたくさんあります。

たとえば、募集活動のリアルな反響や最新の入居者ニーズ・動向は、現場で多くの入居者と接している不動産会社が最も把握しています。また、不動産会社には個人オーナーが利用できない独自の情報共有インフラが多数あります。

不動産会社と有効な関係性を築き、上手く活用することも、効果的な空室対策を進める上ではとても重要です。






 


≪空室対策・賃貸不動産再生のアイデア33選≫


不動産経営アカデミーでは「空無い大辞典」と称した賃貸経営再生のアイデアの一部を公開しています。その中には空室対策に繋がるアイデアも含まれております。
https://realestate-academy.jp/akinai/

当ページでは空室対策に繋がるアイデアの一部をご紹介します。

「あの部屋が空きましたよ」電話


空室対策の成功のためには、不動産会社との連携が欠かせません。特に、過去に内見や成約につながったことのある不動産会社・営業マンは将来的にも強力な募集パートナーになります。そのような強力なパートナーには、空室や退去の情報をいち早く共有することをおすすめします。

四季の花エントランス


建物エントランスは物件の第一印象を決める重要な場所です。
暗く・冷たい印象だと、内見者の印象もよくありません。植栽や四季折々のお花でエントランスを飾るだけでも、物件に華やかさが生まれ、印象が大きく変わります。

宅配ボックス


共働き世帯が増えたことにより、ネット通販の需要が高まっています。共用スペースに宅配ボックスを設置すると、日中留守にしている単身世帯や共働きの世帯でも安心して荷物を受け取る事ができます。

このように、時代と共に変化する入居者のニーズや技術進化に的確に対応することは、空室対策においてとても重要です。






株式会社市萬
中小企業診断士 宅地建物取引士 2級ファイナンシャルプランニング技能士


山村 諭史





不動産経営アカデミーで情報発信 次世代の負担を減らす不動産相続



不動産経営アカデミーで情報発信 次世代の負担を減らす不動産相続









不動産の寿命は長く、次世代への相続が不可欠です。しかし、いざ相続が発生した際、不動産に関する情報が整理されておらず、相続を受ける子供たちが困惑することがあります。例えば、どのような物件を所有し、誰に貸し、契約内容はどうなっているのか。管理はどうしていたのか?特に山林や原野などの遊休地は、「相続ではじめて知った」「場所がどこかもわからない」といった方をたくさん見てきました。









次世代に負担をかけないためには、日頃から不動産に関する情報や資源を整理しておくことが重要です。例えば、企業経営では「人」「モノ」「金」「情報」の4つに分けて経営資源を分類・管理するアプローチ方法があり、この方法は不動産経営にも応用できます。不動産経営に例えるならば、「人」は取引先や賃借人など、「モノ」は不動産そのもの、「金」は運転資金、「情報」は契約書や測量図・設計図です。特に、不動産に関する情報整理は紙が主流なため整理が煩雑になりがちで、紛失が多いのが実態です。次世代が安心して引き継げるように、日ごろから情報を整理しておきましょう。










株式会社市萬
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山村 諭史







判断能力がないとみなされて慌てないための 「家族信託」という選択



判断能力がないとみなされて慌てないための「家族信託」という選択









高齢化が進む日本。2060年には65歳以上の5.6人に1人が認知症になると予測されています。 認知症となり医師等に判断能力がないとみなされると、不動産売買などの重要な契約を始め、遺言書の作成、建物の新築や大幅な修繕に関する契約などができなくなる(無効となる)場合があることをご存知ですか?認知症だけではありません。その他の重篤な病気によっても物事を前に進めたり、判断したりすることができなくなってしまうこともあります。


そのような時のために、「家族信託」をしてはいかがでしょうか。家族信託とは、子どもや身内などに資産の運用方法を指定しつつ財産の管理や処分を託すことができる制度です。たとえ将来判断能力がないと診断されても、託された子どもや身内があなたの意志を継いでさまざまな判断をすることができます。


家族信託のポイントは「元気なうちに」ご家族でよく話し合い、資産をどのように運用し、誰が管理していくかを決め、手続きすることです。


(※)厚生労働省研究班推計(2024年5月公表)



判断能力がないとみなされるとできなくなること


●不動産の売買契約や賃貸借契約などの法律行為

●家族信託手続き

●預金の引き出し・解約

●建物の新築、増改築、大幅な修繕

●生前贈与

●遺言書の作成



家族信託をすべきタイミング


●ポイントは「判断能力がある元気なうちに」



必要経費に算入可能は費用の一例








キャッシュフローシミュレーションソフトを改善 不動産会社や金融機関へのモニター提供も検討中



キャッシュフローシミュレーションソフトを改善 不動産会社や金融機関へのモニター提供も検討中








税引後の手取り金額が将来に渡って試算可能に


この度、キャッシュフローsimの改善を行いました。一般的に流通している従来のソフトは一つの不動産単体のキャッシュフローしか試算できなかったり、税率を加味した試算を行うのが困難だったりします。今回、当社のパートナー税理士である谷口氏の協力を得て、それらの課題をクリアしました。


改善点は大きく二つです。一つ目は、所有する複数の不動産資産を総合した収支の試算を可能にしたこと、二つ目は、個人の税率を適用させた、税引後の収支の試算を可能にしたことです。これにより、個人の不動産経営全体の税引後の手取り金額が試算できるようになりました。


他にも複雑な条件変更(借換えや条件変更、資産の組替え、物件購入、一部売却等)設定ができるよう汎用性を高めたり、誰もが簡単に作成できるようにするなどの改善を行っています。今後は全国の不動産会社や金融機関等への提供も検討しており、多くの不動産オーナーのお役に立てればと思っています。




シミュレーション結果の比較







将来の収支に大きく関わる判断が必要な時こそ活用を


不動産経営を行う中で、有効活用や物件購入、売却など将来の収支を大きく左右するような判断が求められることはありませんか?そのような時、是非、このソフトを活用して将来の収支を確認してください。キャッシュフローを確認することで、その現実性や実現性、リスクを予測し、意思決定の判断材料とすることができます。


左記のグラフは老朽化した建物を建替えるのか、修繕し長期活用するのかを、当ソフトを使って試算したグラフです。30年後の累計手取り額は長期活用したほうが多いことが一目瞭然でわかります。また、グラフを見ると、手取り金額が少ない時期がわかるため、事前に対策を打つことが可能です。


他にも、借入れをしても適切な収益が確保できるか、収益不動産を購入してもリスクはないか、借換えをした場合、収支改善効果はどのくらいかなどといった確認をする際にも有効です。


今後は、当社とお取引中のお客さまへの提案にも活用していく予定です。










株式会社市萬
中小企業診断士 宅地建物取引士 2級ファイナンシャルプランニング技能士


山村 諭史







経費にできるものは意外と多い 正しい知識を身に付けて、節税につなげよう



経費にできるものは意外と多い正しい知識を身に付けて、節税につなげよう









お手元に昨年の確定申告書は届いていますでしょうか。申告書を見ながら、去年は収入が少なかったとか、税金が多かったなどと思われている方も多いかもしれません。


ところで皆様、「経費」にできるものはしっかり「経費」として計上していますか?賃貸経営において経費にできるものは意外と多いのですが、それに気付いていないケースが多くあるようです。特に、個人利用と賃貸経営での利用が混在する場合は見落としがちです。どちらでも発生する支出は「家事按分」し、賃貸経営で使用した部分は経費にできる可能性があります。また、他の物件のオーナーや工事会社等との食事やゴルフも、賃貸経営に関する情報交換や相談であれば経費にできる場合があります。


「賃貸経営を行うために必要な費用は経費計上できる可能性がある」と考えて、見直しをしてみましょう。経費が増えることで所得税額を抑えることができるのはもちろん、場合によっては税率が低くなる可能性もあります。いずれにせよ、経費計上を行う際は必ず事前に税理士に相談した上で進めましょう。



必要経費に算入可能は費用の一例








不動産の相続は事前対策が重要 相続発生前に売却したほうがいい不動産とは



不動産の相続は事前対策が重要相続発生前に売却したほうがいい不動産とは








相続税評価額>時価の不動産は相続発生前に売却しよう


相続税の支払いを、相続した不動産を売却したお金で賄おうとお考えの方、いらっしゃるのではないでしょうか。


そのような時に気を付けていただきたいのが、「売却時期」です。特に相続税評価額が時価よりも高い不動産は、相続発生前に売却することをお勧めします。


下の図をご覧ください。例えば、相続税評価額が1億円、時価6000万円の土地(相続税率40%)の場合、売却時期が相続発生前と後では相続税に2200万円も差が出ます。


特に広大地や不整形地、崖地などは相続税評価額より時価が低くなる傾向があります。


なお、評価額は税理士に、時価は不動産会社で確認できます。




相続税評価額1億円・時価6000万円の土地を売却した場合の相続税






※税率40%、売却経費は売買代金の25%として計算しています。




借地権の底地は相続発生前に借地権の解消を


借地権の底地も相続発生前に対策が必要な不動産です。底地は収益性が悪い上、相続税評価額が時価と比べて高くなることが多い不動産です。


例えば、下の図にあるように、路線価50万円/㎡・借地面積100㎡・底地割合40%の底地の相続税評価額は2000万円です。一方、底地を借地人以外に売却した場合の売却価格は625万円程度となり、相続税評価額が時価より非常に高くなっていることがわかります。


底地をお持ちの場合、底地のまま相続するのではなく、底地を売却する、または借地権を買い取るなどして、相続発生前に借地権の解消をしておくことをお勧めします。




路線価50万円/㎡・借地面積100㎡・底地割合40%の底地














株式会社市萬 宅地建物取引士 公認 不動産コンサルティングマスター 2級ファイナンシャル・プランニング技能士


中澤 一世



9月に相続対策の小冊子をお届けします!


不動産の査定や売買仲介業務、税務・法務面の担当などを経て、現在はお客様への土地有効活用や相続対策、キャッシュフロー改善アドバイスなどの業務に携わる。







賃貸不動産の原状回復工事も アスベストの事前調査や報告義務化



賃貸不動産の原状回復工事もアスベストの事前調査や報告義務化









年々、アスベストに対する規制が厳しくなっています。今回は、アスベスト法規制について、当社と提携し、リフォームや修繕を行っているFMS社長、下山さんにお話を伺いました。


「解体や改修工事では、アスベストの事前調査が義務付けられています。さらに①床面積が80㎡以上の解体及び改修工事、②請負代金の合計額が100万円以上の解体及び改修工事は、自治体への調査結果の報告義務があります。もちろん、賃貸物件の原状回復も例外ではありません」


アスベストの使用が禁止された2006年9月以降着工の建物は、事前調査をする必要はなく、報告書の提出のみでよいそうです。




意外な箇所のアスベスト使用例






「また、2023年の法改正で事前調査は特定の有資格者が行うことが義務化されました。当社(FMS)にはその資格を持った社員がおり、自社で事前調査が可能になっています」


ちなみに、調査でアスベストが発見された場合、アスベストが含まれる箇所の工事には、危険度のレベルによって養生に大きな違いがあったり、自治体への工事報告が必要になったりします。そのため、工事費が上がることにつながります。意外な箇所にアスベストが使われている可能性もあるので、今後のことを考えると早い段階で事前調査を行うことをお勧めします。










お話を伺った方

株式会社FMS
代表取締役


下山 健司さん







「問題が起きてから」では高くつく! 計画的修繕が安定した賃貸経営を支えます



「問題が起きてから」では高くつく!計画的修繕が安定した賃貸経営を支えます









「必要性を感じない」「お金がない」といった理由で、建物修繕を後回しにしていませんか?


不具合があるのにそのままにしているのはもちろん、今現在、目に見えた不具合がなくても、そのままにしておくと、思わぬ事故や想定外の費用が掛かるかもしれません。


建物は経年とともに劣化していきます。建物を健全な状態に保つためには、適切な時期に、適切な修繕を行うことが重要です。問題が起きてから対処するのではなく、事前にその芽を摘んでおくことが、安定した賃貸経営には欠かせません。


もちろん、修繕にはお金がかかります。修繕のための資金を計画的に貯めておくことが望ましいですが、資金が足りない場合は融資などを活用し、しっかりと修繕しておくことをお勧めします。




適切に修繕を行わなかったために起きてしまったトラブル






新築から解体までコストの55%は修繕費



一度に大きな資金が必要な建築費が一番多いと思われがちですが、実は、小修繕や大規模修繕など、修繕にかかる費用が55%を占めています。きちんと修繕を行えばRC造であれば80年近くの長い期間活用できます。建物を寿命まで使うためには、それだけ多くの修繕費が必要なのです。






※当社試算鉄筋コンクリート3階建て・延べ床面積150坪・居住用賃貸不動産の場合





修繕を怠ったことによる建物の劣化



こちらは「爆裂」と呼ばれる、鉄筋の錆びによるコンクリートの破壊です。爆裂が発生しているということは鉄筋自体の劣化が進み、強度が激しく落ちている証拠です。このまま放置すると、外壁の剥離や落下による大事故が発生する危険性があります。 外壁にひび割れが多く見られる場合、内部で鉄筋の劣化が進行していることもありますので、早めの対応が重要です。






コンクリート内に水が入ることで鉄筋がさびて膨張し、内側からコンクリートを破壊する「爆裂」