認知症のリスクにどう備えるか?家族信託のススメ
- 賃貸経営
家族信託で備える認知症リスク
高齢化に伴い、認知症患者数が増えています。皆様ご自身、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「〝判断能力がない〟と診断されると、日常生活に関わる契約(スーパーでの買い物や公共料金の支払い等)以外はできなくなり、不動産に関わる多くの契約ができなくなってしまいます」と司法書士の関本さん。
そのような事態に備える方法に家族信託があります。家族信託とは、ご本人が元気なうちに子供などに財産の運用方法を指定しつつ、財産の管理や処分を託すことができる制度です。この制度を活用すれば、万一の時も信頼できる家族が不動産管理や売却を代行できます。
ただし、認知症になってからでは契約できないため、判断能力のあるうちに手続きを行いましょう。
成年後見制度というもう一つの選択肢
また、仮に家族信託契約を結ぶ前に認知症と診断されてしまった場合でも、成年後見制度の申し立てを行い、選出された後見人が法定代理人として、本人に代わってさまざまな契約を行うことが可能です。ただし、賃貸業などお金の管理が発生する場合、親族が成年後見人として選出されると弁護士など専門の監督人が選任され、後見人の監督を行うことが多いようです。
安心して資産を守るためにも、早めに専門家へ相談し、将来を見据えた準備をおすすめします。
司法書士法人 サン合同事務所 司法書士
関本 隆人さん
2011年、司法書士法人サン合同事務所入所。不動産問題を得意とし、不動産登記をはじめ、遺産相続や財産分与による登記、抵当権の抹消などを行う。