既存の賃貸住宅の省エネ化に今から対応窓を変えれば大きく変わる断熱性能

新築住宅の省エネ義務化中古住宅も今のうちに対応を

2025年4月からすべての新築住宅に「省エネ基準適合」が義務化されたことをご存じですか?今は新築だけの義務化ですが、この影響は中古住宅にも波及することが考えられます。
省エネ住宅は経済面はじめ、室内の寒暖差によるヒートショック防止、結露に起因するカビによるアレルギーの防止などの健康面でこれまでの住宅より優れており、政府は省エネ住宅を選択することを推奨しています。今後省エネ基準を満たした賃貸住宅が出現すると、これまでの賃貸住宅はますます厳しくなっていくことが予想されます。少しでも競争力を上げるために、今から建物の省エネ化を図る必要があります。

競争力UPと長期活用を見据え断熱性能向上で省エネ化

省エネの基本は建物の断熱です。実は、最も熱が逃げやすいのは窓です。夏に外の暖気が入り込む割合は73%、冬に室内の暖気が外に出る割合は58%。ですから、窓の断熱性能を上げるだけで建物の断熱性能がアップします。方法は主に3つ。①内窓工法 ②カバー工法 ③はつり工法です(下記参照)。また、サッシの種類、窓ガラスの種類によっても断熱性能は異なります。できるだけ、断熱性能の高い、例えば樹脂サッシ×Low-E複層ガラス等を選ぶと良いでしょう。
 窓の断熱性能を上げると室内が快適なだけでなく結露を防げます。結露は建物の劣化を早める原因にもなります。建物の長期活用を目指すのであれば、やはり窓の断熱を実施することをお勧めします。
 断熱工事は行政の補助金を活用できる可能性もあります。一度に全住戸を行うのは難しいかもしれませんが、原状回復のタイミングで1住戸ずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。

株式会社市萬 賃貸事業部 宅地建物取引士

宮澤 慎之介

築古物件の入居率向上や建物長期活用のための適切な建物メンテナンスの実施など、賃貸用建物の維持管理や大規模修繕に関する業務を行う。

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